
「子どもとの時間を増やしたい」
「通勤がなければ、もう少し余裕を持って働けそう」
「子育てをしながら、このまま今の仕事を続けられるのだろうか」
こうした理由から、在宅ワークを考える女性は少なくありません。
実際、通勤や移動時間がなくなるだけでも、朝夕の時間にはかなり余裕が生まれます。
一方で、在宅ワークに変えれば、そのまま仕事と子育てを両立できるわけではありません。
自宅に仕事を持ち込むからこそ、仕事と家事・育児の境界が曖昧になることもあります。
大切なのは、「在宅で働くこと」をゴールにするのではなく、子育てをしながら継続できる働き方を作ることです。
この記事では、在宅ワークと子育てを両立する現実や、女性が働き方を考える際に見ておきたいポイントを、在宅ワーク人材の育成やキャリア相談に携わってきた視点から解説します。
在宅ワークと子育ては本当に両立できる?
結論から言えば、在宅ワークは子育てとの相性が良い働き方の一つです。
ただし、「家で働ける=子どもの面倒を見ながら仕事ができる」と考えてしまうと、想像とのギャップが生まれます。
在宅ワークの大きなメリットは、育児をしながら仕事をすることではなく、仕事のために使っていた移動時間や準備時間を減らし、生活全体を組み替えやすくなることです。
在宅ワークにすると子育てと両立しやすくなること
たとえば、片道45分の通勤がなくなれば、往復で1時間30分です。
その時間を、
子どもの朝の準備に使う。
夕食を少し早く始める。
保育園のお迎えに余裕を持つ。
自分自身の休息時間にする。
こうした使い方ができます。
外回りや出張が多い仕事であれば、その差はさらに大きくなります。
私自身も、働く場所に縛られない仕事へ移行したことで、「どこで暮らすか」を含めて人生の選択肢が大きく増えました。
東京→福岡へ移住することで家賃は半額、移動時間はなし、東京時代の収入はそのままに生活水準が大きく上がりました。
在宅ワークの価値は、単に自宅でPCを開けることではありません。生活に合わせて仕事を設計し直せることにあります。
在宅ワークでも子育てとの両立が難しいこと
一方で、在宅勤務だからといって仕事そのものが簡単になるわけではありません。
商談中に子どもが話しかけてくる。
集中したい時間に家事が気になる。
保育園から急な呼び出しがある。
仕事が終わらず、子どもが寝た後に再開する。
こうしたことは普通に起こります。
特に小さい子どもがいる家庭では、予定どおりに1日が進まないことを前提にした方が現実的です。
在宅ワークは育児の代わりになる仕組みではなく、育児と仕事を調整しやすくするための選択肢と考えると、期待値を間違えにくくなります。
子育て中の女性が在宅ワークでつまずきやすい3つの場面


在宅ワークの相談を受けていると、仕事内容そのものよりも、生活との組み合わせで苦しくなるケースがあります。
特に注意したいのが次の3つです。
子どもの体調不良で予定が崩れる
子育てをしていると、「今日は予定どおり8時間働く」という前提そのものが崩れる日があります。
発熱、病院、保育園からの呼び出し。
これはスキルとは関係なく発生します。
だからこそ、在宅ワークでは「長時間働けるか」だけではなく、
納期に余裕を持つ。
途中経過を共有する。
早めに相談する。
優先順位をつける。
といった仕事の進め方が重要になります。
子育て中だから仕事を任せてもらえないのではありません。
予定が変わったときにも仕事を止めない進め方ができるかが重要です。
そのため、チームや上司の方と事前の取り決めや、起こりうる想定をちゃんと会話しておくことが重要です。
家事と育児が仕事時間に入り込む
自宅には、洗濯、食器、掃除、買い物など、やろうと思えばいくらでも仕事があります。
会社なら仕事しかできない時間でも、自宅では、
「洗濯機だけ回しておこう」
「少し片付けよう」
「夕食の準備をしておこう」
となりがちです。
結果として、仕事をしているのか家事をしているのか分からない状態になります。
在宅ワークほど、仕事時間を意識的に区切る必要があります。
「家にいる時間」ではなく、仕事をする時間を確保するという感覚が必要です。
オススメは、1日のカレンダーを30分単位で区切り、その時間には何をすると、事前に決めて順序を守ることです。
「在宅なら全部できる」と抱えすぎる
これは特に注意したいところです。
在宅勤務になったことで、
仕事もする。
家事もする。
子どもの対応もする。
送迎もする。
すべて自分でできると思ってしまうことがあります。
しかし、移動がなくなったからといって1日が30時間になるわけではありません。
在宅ワークを始める目的は、負担を増やすことではなく、働き方を整えることです。
仕事を在宅化すると同時に、家族との役割分担や家事のやり方も見直した方が、長く続けやすくなります。
子育てと在宅ワークを両立するための7つの工夫


在宅ワークと子育てを両立するために、特別なテクニックが必要なわけではありません。
むしろ大切なのは、仕事と育児を同時に完璧にこなそうとせず、予定が崩れることも前提に仕事の進め方を整えておくことです。
子どもがいる生活では、体調不良や保育園からの呼び出しなど、自分ではコントロールできないことも起こります。だからこそ、次の7つを意識しておくと、在宅ワークを続けやすくなります。
- 集中して働く時間をあらかじめ決める
「子どもを見ながら仕事をする」のではなく、仕事に集中する時間をできるだけ明確に分けます。たとえば保育園に行っている時間、昼寝の時間、家族が子どもを見てくれる時間などです。短時間でも仕事だけに集中できる時間を確保した方が、結果的に生産性は上がりやすくなります。 - 1日の予定を詰め込みすぎない
子育て中は、予定どおりに1日が終わらないことも珍しくありません。8時間働ける前提で予定を組むより、最初からある程度の余白を残しておく方が安心です。予定外のことが起きても仕事全体が崩れないように、少し余裕を持ったスケジュールを意識します。 - 仕事の優先順位を決めておく
すべての仕事を同じ重要度で考えると、急な予定変更が起きたときに判断できなくなります。「今日必ず終える仕事」「できれば今日進めたい仕事」「明日でも問題ない仕事」と分けておくと、限られた時間でも重要な業務から進められます。 - 進捗を早めに共有する
在宅ワークでは、同じオフィスにいないからこそ「今どこまで進んでいるのか」を伝えることが重要です。特に子どもの体調不良などで予定が変わりそうな場合は、締切直前ではなく早めに共有します。状況をきちんと伝えられる人ほど、在宅でも仕事を任せてもらいやすくなります。 - 分からないことを放置しない
在宅ワークでは、隣に上司や先輩がいるわけではありません。そのため、分からないまま長時間悩み続けると、限られた仕事時間を大きく使ってしまいます。まず自分で調べ、それでも分からなければ「何が分からないのか」を整理して質問する習慣を身につけることが大切です。 - 自分の作業時間を把握する
「この資料は30分くらいで終わる」と思っていても、実際には1時間以上かかっていることがあります。日頃から仕事ごとの所要時間を把握しておくと、子育て中でも現実的なスケジュールを組みやすくなります。自分がどの仕事にどれだけ時間を使っているのかを知ることも、在宅ワークの自己管理の一つです。 - 家族に仕事時間を共有する
自宅にいると、家族からは「いつでも対応できるように見える」ことがあります。しかし、在宅ワークも勤務中であることに変わりはありません。「この時間は会議」「午前中は集中して仕事をする」など、仕事の予定を家族にも共有しておくと、お互いに動きやすくなります。家事や送迎についても、在宅勤務だから一人で抱えるのではなく、家庭全体で役割を決めることが大切です。
こうした工夫を見ると、在宅ワークで求められるのは単なるPC操作だけではないことが分かります。
優先順位を決める、時間を管理する、状況を共有する、分からないことを確認する。
これらはすべて、みらいコーデでも重視している「業務遂行力」です。在宅ワークと子育てを両立するためにも、限られた時間の中で自分で仕事を進められる力を身につけておくことが、長く働き続けるための土台になります。
子育てと両立しやすい在宅ワークの条件
「在宅ワークなら何でも子育てと両立しやすい」というわけではありません。
仕事を選ぶときには、職種名だけでなく働き方まで確認する必要があります。
たとえば、
勤務時間が固定されているのか。
急な休みに対応しやすいのか。
電話対応が多いのか。
商談時間が決まっているのか。
成果物ベースで進められるのか。
この違いによって両立のしやすさは大きく変わります。
比較的相性が良いのは、オンライン事務、営業事務、カスタマーサポート、オンライン営業、企画補助、資料作成など、PCを中心に進められるビジネス職です。
一方で、在宅だから必ず自由というわけではありません。
電話を常時受ける仕事や、オンライン会議が多い仕事では、決められた時間に集中できる環境が必要です。
そのため、「在宅かどうか」だけで判断せず、自分の生活に合う仕事の進め方かまで確認することが重要です。
子育て中にこそ身につけたい在宅ワークの実務力


子育てをしながら在宅ワークを続けるためには、長時間働くことよりも、短い時間でも安定して仕事を進められる力が重要になります。
代表的なのが、
- Excel・Word・PowerPoint
- チャットでの報告・連絡・相談
- オンライン会議
- クラウド上でのファイル共有
- タスク管理
- スケジュール管理
- 分からないことを適切に質問する力
です。
ただし、ここで注意したいのが、ツールを使えることと、仕事ができることは同じではないという点です。
たとえばExcelの関数を知っていても、
上司から依頼を受ける。
必要な情報を確認する。
期限までに資料を作る。
共有する。
修正依頼に対応する。
ところまでできなければ、実際の仕事では困ります。
私自身、独学で在宅ワークを目指していた頃は、この「知っている」と「仕事としてできる」の違いがよく分かっていませんでした。
今振り返ると、ここがかなり遠回りした原因の一つだったと思います。
在宅ワークと子育ての両立に「実践経験」が重要な理由
子育て中の女性にとって、「勉強に使える時間が限られている」という問題もあります。
だからこそ、資格や知識を際限なく増やすより、実際の仕事につながる練習を優先した方が効率的です。
たとえば、
「Excelを3か月勉強した」
だけでは、採用する側からすると、どの程度仕事を任せられるのか分かりません。
一方で、
「売上データを集計してレポートを作った」
「顧客リストを整理した」
「問い合わせ対応フローを作成した」
「オンライン商談のロールプレイを経験した」
となれば、できることが具体的になります。
在宅ワークでは特に、隣に上司がいるとは限りません。
そのため、知識以上に実際の仕事をどのように進めるかが求められます。
みらいコーデが子育て中の女性にも実務課題を重視する理由


みらいコーデでは、営業・事務・企画などのビジネス職で在宅ワークを目指す人に向けて、単なる動画学習ではなく実践課題を多く取り入れています。
たとえば、
依頼を確認する。
成果物を作成する。
期限までに提出する。
フィードバックを受ける。
修正する。
ロールプレイを行う。
といった流れです。
これは、「学んだこと」を増やすためだけではありません。
在宅でも仕事を任せられる状態を作るためです。
子育てをしながら働く場合、使える時間には限りがあります。
だからこそ、「勉強した時間」ではなく、限られた時間で何ができるようになったかを重視した方が、その後の働き方につながりやすいと考えています。
また、プログラミングやデザインを一から専門的に学ばなくても、これまでの営業、事務、接客、顧客対応などの経験を活かせる可能性があります。
重要なのは、これまでの経験を捨てることではなく、在宅ワークでも使える形に組み替えることです。
在宅ワークは「子育てをしながら働き続ける」ための手段になる
子育てをしていると、
今の仕事を続ける。
時短勤務にする。
転職する。
一度仕事を離れる。
いろいろな選択肢を考える時期があります。
その中に、「在宅で働ける仕事へ移る」という選択肢を加えてみてもよいと思います。
在宅ワークは、子育ての大変さをすべて解決してくれる働き方ではありません。
それでも、通勤や移動がなくなり、働く場所を選べるようになることで、生活には確実に余白を作りやすくなります。
そして、その余白は単に家事を増やすための時間ではありません。
子どもとの時間を増やす。
自分自身の時間を作る。
これからのキャリアを考える。
そうした選択肢にも使えます。
「仕事を続けるか、家庭を優先するか」という二択ではなく、両方を続けられる働き方そのものを探す。
在宅ワークは、そのための一つの手段です。
まとめ|在宅ワークと子育ての両立は「働き方の設計」が大切
在宅ワークと子育ては両立できます。
ただし、「自宅で働けば何とかなる」と考えるのではなく、
仕事時間を確保する。
予定に余白を持つ。
家族と役割を分ける。
自分で仕事を管理する。
在宅で通用する実務力を身につける。
こうした準備が必要です。
子育てによってキャリアを諦める必要はありません。
一方で、今までとまったく同じ働き方を無理に続ける必要もありません。
これまで身につけてきた経験を一度整理し、これからの生活に合う働き方へ組み替えていく。
その先に、在宅ワークという選択肢があります。
